●症例 2  10代女児

確定診断;亜急性壞死性リンパ節炎

検査所見は、白血球1900、血小板122000と低下、CRP2.62と上昇していた。血液諸検査、骨髄生検の結果、ウイルス感染、結核性リンパ節炎、膠原病、血球貧食症候群、悪性リンパ腫は否定的であった。左頸部の腫脹は自然軽快しつつあり、生検は行わなかったものの、亜急性壞死性リンパ節炎の診断にて、抗生剤、ステロイドなどの投与は行わず、経過観察のみとした。3週間の経過で、左頸部腫脹はほぼ消失、白血球、血小板、炎症反応の正常化を認めたため、退院となった。

亜急性壊死性リンパ節炎
(subacute necrotizing lymphadenitis, Kikuchi-Fujimoto disease)
概念:1972年に菊池らにより報告された原因不明のリンパ節疾患 
   10−30代の女性に多い(男:女=1:2)
臨床症状:発熱、一側あるいは両側の頸部リンパ節腫脹、腋窩、鼠径部に見られることもある。軽度の圧痛。
検査所見:白血球減少、血症板減少、CRP 陽性 LDH 高値。時に GOT,GPT 高値
予後:抗生物質無効
発熱や頸部痛に対して、非ステロイド系鎮痛下熱剤を投与することがある。発熱が持続する時にはステロイド剤が有効。予後良好で、1−3ヶ月で自然治癒。時に再発。

 
●鑑別診断へ戻る
●症例提示ページへ戻る

moderator : 竹政和彦



●第255 回レントゲンカンファレンスのページへ戻る
●東京レントゲンカンファレンス日程表掲載のページへ戻る