Joubert Syndrome
疫学と臨床症状
・常染色体劣性遺伝。男性にやや多い。
第9染色体長腕の遺伝子異常が疑われている。
・小脳虫部の低形成
・筋緊張低下
・精神運動発達遅延
・新生児期の呼吸異常(発作性多呼吸に引き続く無呼吸)
・異常眼球運動
Neurology 19: 813-825, 1969
Am J Med Genet 72: 59-62,1997
・多指症、網膜異形性、嚢胞腎、多合指症、後頭部脳瘤、脳梁欠損、眼瞼下垂、舌の突出などを合併することがある。まれには、十二指腸閉鎖・先天性心疾患、舌の軟部腫瘍なども報告されている。
画像所見
・小脳虫部欠損とそれに伴う変化
(左右の小脳半球が正中で接する。小脳溝の直線化)
・第4脳室の変形と拡大
(中脳下部被蓋が前後に伸び、axial像で逆3角形もしくはbat-wing状の形態)
・上小脳脚の肥厚・延長(Molar-tooth sign)
(室頂の上後方の偏位、上随帆の上方凸、Magendie孔の拡大)
病理;小脳虫部と脳幹の形成異常
・小脳虫部はほぼ完全に欠損することが多く、部分欠損の場合は後下部の無形成を呈する。
・小脳半球は保たれるが、異所性灰白質や小脳核形成異常を認める。
・中脳橋移行部・延髄下部の異常としては、上小脳脚交叉、下オリーブ核、錐体交叉、孤束、三叉神経脊髄路核、薄束核などの形成異常がしられている。
予後と治療
・新生児期・乳児期の死亡例が多い。
・しかし死亡原因は呼吸異常によらず、細菌性髄膜炎や心不全によるものもある
・60例の平均年齢は8歳という報告もある。
・新生児期の呼吸異常は成長に伴って軽減するとされる。
・発達遅延は重度。
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