経過
・2004/3/30、当院呼吸器外科にて手術施行
VATS下部分切除術
・手術所見
右S10領域に径3x2cmの病変が認められた。
胸壁と索状の癒着。
S6領域は過分葉。
・嚢胞内NSE値は正常値であった。
・嚢胞内CEA、amylase値は高値であった。
病理所見
・嚢胞内面は1〜2層の上皮細胞に覆われている。
・壁に未熟な軟骨組織と気管支腺が認められる。
・褐色の内容物で充満されていた。
気管支原性嚢胞 (Bronchogenic cyst)
・前腸から気管支が発生する際にabnormal buddingが生じることにより発生すると考えられる。
・肺内、縦隔何れにも認められるが、肺内に発生するものは少ない。
・肺内型では気管支との交通があることが多く、気道感染症として見つかることが多い。
・嚢胞壁には平滑筋と軟骨の一部があり、内腔は気管支の繊毛上皮で覆われており、
内容は粘液、剥離上皮、血液成分を含む。
・嚢胞中CA19-9、CEAやアミラーゼ上昇をみることがある。
・治療法は切除(区域切除術や肺葉切除など)
画像的特徴
・内部が均一な嚢胞性病変、境界明瞭
・内容は粘液成分が多いことを反映して単純CTでは水より高濃度、造影効果は認められない。
・MRIが鑑別に最も有用
T2強調画像において高信号強度
T1強調画像では出血成分、高蛋白濃度を反映して高信号を呈することがある
参考文献
- Kim WK et al. Complex bronchopulmonary forgut malformation:extralobar
pulmonary sequestration assocviated with aduplication cyst of
bronchogenic and oesophageal type. Pediatr Radiol(2001)31:265-268
- Fracois D et al. Bronchogenic Cyst of the Right Hemidiaphragm.
Ann Thorac Surg(1995)59:1235-7
- Kan O et al.Subcarinal Bronchogenic Cyst With High Carbohydrate
Antigen 19-9 Production.The Japanese Journal of Thoracic and
Cardiovascular Surgery(2002)50:46-8
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