腹壁子宮内膜症
頻度 子宮内膜症の約2% 1)
皮膚子宮内膜症の一部に分類。
腹壁発生例は全例が手術瘢痕から。
子宮切開術 1.08% 2)
帝王切開術 0.03 3) -0.45 4)%。
自然発生例
本邦63症例のまとめ 泉ら5)
発症年齢
20歳未満 1例 (1.6%)
20〜29歳 13例(20.6%)
30〜39歳 42例(66.7%)
40〜49歳 6例 (9.5%)
50〜59歳 1例 (1.6%)
腹壁内膜症における既往術式
既往術式 症例数
帝王切開 50例(79%)
卵巣腫瘍摘出術 3例(4.8%)
卵管結札術 2例(3.2%)
虫垂切除術 1例(1.6%)
胃切除術 1例(1.6%)
その他 6例(9.5%)
(腹腔鏡トラカール創、羊水穿刺の穿刺経路)
腹壁子宮内膜症における既往手術から治療までの期間
2年未満 16例(26.2%)
3年未満 6例(9.8%)
4年未満 6例(9.8%)
5年未満 16例(26.2%)
5年以上 17例(27.9%)
発生機序 手術操作による子宮内膜の機械的移植説が有力 6), 7)。
症状 手術瘢痕部の硬い腫瘤。
月経時の腫脹、疼痛、血性分泌など。
典型的症状をきたすのは約半数7)から80%8)。
生化学所見 CA125が上昇する例もあり。
画像所見 T1、T2強調画像ともに低信号で、T2強調画像では腫瘤内の点状高信号域9)。
造影効果あり。
治療法 外科的切除、GnRHaを用いた内分泌療法。
参考文献
- Masson JC : Trans West Surg Ass 53: 35, 1945
- Catterrjee SK : Scar endometriosis : a clinicopathologic
study of 17 cases Obset Gynecol 56 : 81-84, 1980
- Thoman J. Zuber: Ceasarean Section Scar Endometoriosis. JABFP.
6. 505-506. 1993
- Liang CC. et al: Scar Endometriosis. Int Surg. 83. 69-71.
1998
- 泉 徳子 他: 帝王切開術後に発生した腹壁子宮内膜症の1例 臨産婦 57(9)1229-1233 2003
- 丹羽由紀子 他: 婦人科手術瘢痕に生じた腹壁子宮内膜症の2症例 陶生医報第19号 25-29 2002
- 渋井庸子 他: 腹壁腫瘤として開腹術に至った子宮内膜症の2例 臨産婦 58(12) 1454-1457 2004
- 柿崎大 他: 子宮内膜症ー腺筋症とその他の子宮内膜症 臨床画像16
- 益雪浩一 他:帝王切開後の腹壁瘢痕に生じた子宮内膜症 西日皮膚 57 278-280 1995
- Gordon C et al: Case report MR imaging of endometriosis arising in
ceasarean section scar. J Comput Assist Tomogr 13(1) 150-152
1989
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