確定診断 Malignant lymphoma (Diffuse Large B cell)
本例は中枢神経原発の悪性リンパ腫であった。腫瘍の増大に伴い原疾患で亡くなられた。 CD20陽性で大型の核を有する小円形細胞が、脳組織ほぼ全域に渡って浸潤していた。主な分布は下記に図示する領域であるが、亡くなられる前に撮られたMRIでもその一部しか捉えられていない。 本症は明瞭な腫瘤を形成せずびまん性の浸潤を来すことがあり、特にGliomatosisとの鑑別が困難となることがある。多発傾向とdensitytがやや高い点が特徴的とされるが、転移性腫瘍やGliomaを否定することは難しい。 一般的に脳室や脳表に近接する分布となる傾向が見られ、本例のように著しく高く、比較的均一な造影効果を見ることが多い。AIDSなど免疫能が低下した症例に合併する例では、出血や壊死により不整となる傾向がある。
病理肉眼標本
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Moderator:古橋 哲、石橋直也、福島祥子、吉信尚、高橋元一郎
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