症例1:60歳代 男性

解説と最終診断

鑑別診断

延髄前方にT2高信号を示す疾患
・多発性硬化症
・神経膠腫
・Waller変性
・梗塞
・オリーブ核仮性肥大

最終診断

橋出血の既往→オリーブ核仮性肥大

経過



延髄前方の腫大とT2高信号は改善傾向

オリーブ核仮性肥大
一側の歯状核と対側の赤核、下オリーブ核が形成する「Guillain-Mollaret triangle」の障害で、下オリーブ核に二次的に変性を起こす


下オリーブ核のMRIでの経時的変化
・急性期では正常所見を呈する
・6ヶ月以内ではT2強調像での高信号のみ
・6ヶ月から3-4年間で腫大する
・3-4年以上で縮小する

原病変との関係

原病変発生部位
・脳幹部→同側の腫大
・小脳(歯状核や上小脳脚)→対側の腫大
・被蓋束と上小脳脚が共に→両側の腫大

Osborn; Diagnostic Imaging Brainより

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Moderator:薄井 庸孝

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