症例 1:10歳代 男性

診断

再発性多発軟骨炎  relapsing polychondritis

再発性多発軟骨炎
・膠原病類縁の自己免疫疾患と考えられている
・発症に男女差はなく、一般には中年に多い
・McAdamらによる臨床的診断基準が用いられている
  以下のうち3項目をみたすこと
  両側性耳介軟骨炎/非破壊性多発関節炎/鼻軟骨炎/
  眼の炎症(結膜炎、角膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎)/気道軟骨炎/前庭・蝸牛機能障害

本症例も3項目満たしており、より可能性の高い他疾患も
存在しないため再発性多発軟骨炎と診断された

・治療は軽症ではNSAIDのみで対応できる例も存在する
・重症例は膠原病に準じてステロイドおよび免疫抑制剤による治療が行なわれる
・初発症状は耳介の痛みが多いとされるが、本症例のように眼症状や内耳症状のみが
 先行することもある

・画像診断では気道軟骨や肋軟骨、鼻翼、耳介軟骨など各所の軟骨の肥厚、異常増強効果、
 骨化が特徴的
・本症例では若い健康な男性が日常生活にも困るほどの呼吸困難がある割に肺野病変が軽微
   循環器病変、中枢気道病変の可能性を考慮する

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Moderator:渡谷 岳行

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