症例9 50歳代 女性
診断:上顎洞血瘤腫

上顎洞血瘤腫
Organized hematoma of the maxillary sinus
  • 血瘤腫は上顎洞に片側性に認められる本態の明らかでない臨床上の疾患概念
  • 上顎洞内の出血が線維組織に被包化され、吸収が妨げられた状態で、血腫内の再出血により増大し、周囲骨の圧排を伴う
  • 出血の原因として、出血素因、外傷、血管奇形等が考えられている
  • 症状は、鼻出血、顔面腫脹、知覚低下、歯痛が多い
  • 病理所見は、辺縁では線維細胞に富み、内部は細胞成分に乏しく、赤血球を含む
  • CT:膨張性骨破壊を伴う高吸収の軟部組織腫瘤
  • MRI:T1強調像、T2強調像で出血を反映した様々な信号を呈する。造影で正常粘膜が増強される。内部に増強効果が見られるものもある
鑑別診断
悪性腫瘍:上顎癌やリンパ腫など
良性病変:ポリープ、粘液嚢腫、乳頭腫、血管腫、骨病変など
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Moderator : 志多 由孝