症例3 60歳代 女性

現病歴:半年前から時折発熱が出現していた。近医受診し血液検査で貧血、炎症反応上昇を認め、腹部CT検査でも異常が指摘されたため、当院紹介受診。

既往歴:特記すべき事項なし

現症・身体所見:体温38.4度 右季肋部圧痛(+)

血液検査所見:WBC 20500/ul Hb 7.9g/dl CRP 16.8mg/dl CA19-9 77U/ml


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dynamic CT


上:単純  動脈相
下:門脈相 平衡相
 

造影CT (門脈相)


   

単純MRI


左:T1WI/右:T2WI


DWI(b=1000) 

画像所見のまとめ

dynamic CT

  • 正常胆嚢は同定できず。肝門部〜肝床に辺縁に造影効果を呈する巨大な腫瘤を認め、内部には膿瘍または腫瘍壊死が疑われた。
  • 肝臓との境界は不明瞭。
  • 肝右葉の造影効果は非常に不均一で浸潤もしくは炎症の波及、血流障害が疑われた。
     

単純MRI

  • T1WIで肝実質より軽度低信号、T2WIで不均一な軽度高信号、拡散強調画像にて著明な高信号を認めた。

⇒胆嚢炎(慢性+急性、膿瘍)、胆嚢癌が疑われた。

 
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Moderator : 坂口 千春