Hibernoma ( 褐色脂肪腫 )
・褐色脂肪は冬眠動物に認められる組織で、これに類似した組織より構成される腫瘍。
・熱産生に関与する。胎児や新生児には褐色脂肪が見られる。
・一般の脂肪細胞に比べ豊富な毛細血管と交感神経を受け肉眼的にも褐色調を帯びる傾向がある。
・通常は緩徐発育で大腿(欧米で多い)、肩、背中、頚部に多い。
・発症年齢:38歳(2~72歳)、男女差なし。
・主として3つの細胞から構成
- 好酸性顆粒状胞体を多く含む細胞質を持つ細胞( eosinophilic cell )
- 大小さまざまな大きさの比較的未成熟な脂肪滴を多数含む多空胞状細胞( multivacuolated cell )
- 成熟脂肪細胞に類似した小型の単空胞状細胞 ( univacuolated cell)
・大きく4つに分類
- Typical(80%):褐色脂肪腫細胞のみで構成
- Myxoid(10%):褐色脂肪腫細胞が島状に粘液成分に浮かんでいるように見える。
- Lipoma-like(10%):白色脂肪腫に褐色脂肪腫がまばらに存在
- Spindle cell(まれ):脂肪細胞のspindle cellを含む
画像所見
・脂肪成分と非脂肪成分の割合により異なる。
・Typical typeでは、MRIで白色脂肪に似た信号にflow voidを伴う。
・CT、超音波の報告は様々
・FDG-PETでの軽度の集積増強あり。
(好酸性顆粒は細胞質に多くのミトコンドリアを含み、効率的な熱産生に関与)