来院時血液検査所見 |
WBC |
4600 |
TP |
5.5 |
CK |
160 |
Hb |
16.8 |
Alb |
3.8 |
Amy |
285 |
Ht |
50.6 |
BUN |
18 |
BS |
91 |
Plt |
32.3 |
Cr |
0.63 |
CRP |
0.3 |
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T-Bil |
1.0 |
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AST |
13 |
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ALT |
11 |
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LDH |
196 |
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ALP |
160 |
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画像所見
・回腸から空腸は全周性に肥厚
・上行結腸から横行結腸まで全周性の粘膜浮腫
・回結腸間膜・右結腸間膜はリンパ節腫大
・回腸遠位部で消化管破裂
・半固形状の腸管内容物が腹腔内に漏出
・部分的な腸管濃染不良域(潰瘍形成?)
・腹水貯留
・汎発性腹膜炎
画像のまとめ
・回腸遠位部で消化管破裂
半固形状の腸管内容物が腹腔内に漏出
汎発性腹膜炎、腹水貯留
・空腸から回腸は全層性に肥厚
・上行結腸から横行結腸まで全周性の粘膜浮腫
・回結腸間膜・右結腸間膜はリンパ節腫大
・潰瘍形成
術中所見
消化管穿孔の診断にて緊急手術を施行
↓
回盲部切除
回腸末端に著明な腸管壁、腸間膜の肥厚、回腸末端に径2cm程の穿孔を認めた
病理所見
回腸に陳旧の潰瘍形成、線維化、リンパ濾胞、腸間膜リンパ節に明瞭な肉芽腫病変が散見
最終診断
Crohn病による回腸遠位部の穿孔+汎発性腹膜炎
Crohn病
・非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
・壁の全層性炎症
・肉眼的には縦走潰瘍、敷石像、不整形潰瘍
・10歳後半から30歳代前半
・白人に多い
・男性に2-3倍多い
・腹痛、下痢、発熱、体重減少、肛門病変
偽膜性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、感染性腸炎と比較すると、
比較的に厚い壁肥厚と腸管壁内部濃度、造影効果が均一であるということが特徴。
Crohn病の画像所見
・右側結腸に好発し、小腸病変を含む
・厚い腸管壁肥厚
・均一な造影効果
・腸間膜線維増生(fibrofatty proliferation)
・Comb sign
・膿瘍形成
Crohn病と消化管穿孔について
・報告では1.5%に穿孔が生じた
・穿孔は罹患から平均で3.3年(1ヶ月−10年)1年以内が43%、5年以内が81%であった
・穿孔の機序:1.肛門側での狭窄に伴う消化管内圧の上昇
2.壁内の虚血(消化管内圧の上昇に伴う)
3.腸炎を支配している血管の虚血 Adrian J.Greenstein et al:Ann surg:1987:january;72-76