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第314回東京レントゲンカンファレンス
2009年6月25日
症例7 30歳代 女性
   

化骨性筋炎
Myositis ossificans

 

画像経過  
右肩X線写真 
4月
6月
8月
翌2月

胸部 plain CT
4月
 
5月
 
     

化骨性筋炎 myositis ossificans
・非腫瘍性の骨形成性軟部腫瘤.         
・半数以上に外傷の既往があり、筋損傷に続発すると考えられている.

 圧痛や自発痛を伴い数週間の間に急速に発育する境界不鮮明な軟部腫瘤として発症し、
 3〜6cmの限局性腫瘤を形成して発育が停止する.

・年齢;思春期〜若年成人の男性
・部位;80%が大腿四頭筋あるいは上腕筋.

  臀筋や手の筋にも発生する.

 

画像のポイント
■単純X線写真、CT所見
  ・腫瘤の辺縁性石灰化(zoning phenomenon)が急速に進行する.

■MRI所見
  ・T2WI 筋束に沿って広範に広がる高信号.
  ・類骨や幼若骨梁に相当する輪状の低信号.
  ・T1WI 出血がなければ際立った異常信号なし. 
 病巣周囲の浮腫が消失するには数ヶ月以上かかる.

MRI

T1WI Ax T2WI Cor FS Gd-T1WI Cor

 

鑑別診断
骨外性骨肉腫、傍骨性骨肉腫    

骨膜性骨肉腫、骨表面高悪性度骨肉腫  
骨膜性軟骨肉腫、間葉性軟骨肉腫、滑膜肉腫
Ossifying fibromixoid tumor
Chronic expanding hematoma
Compartment syndrome

■鑑別上のポイント
・悪性腫瘍よりも急速な発育
・早期〜中期には悪性腫瘍よりもはるかに高度な浮腫を伴う(MRI)
・中期〜慢性期には辺縁性石灰化(zoning phenomenon)
 →腫瘍性石灰化は中心で強い(reversed zoning phenomenon)

 

 

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Moderator: 芝 奈津子、徳江 浩之、藤原 寛康、鶴崎 正勝