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第318回東京レントゲンカンファレンス
2010年1月28日
症例8 70歳代 男性
   

無症候性右副腎褐色細胞腫の自然破裂による後腹膜出血
Spontaneous rupture of asymptomatic pheochromocytoma of the right adrenal

 


入院後経過
痛みのcontrolのみで、血圧含めバイタルサインに異常なし
ワーファリンによる凝固異常に対し、服用中止
BUN29/Cr1.72 WBC13400 CRP1.8 軽度上昇
腫瘍マーカーSCC 0.6 ng/ml


内分泌腫瘍検査
【血中】   【尿中】
ACTH
29.5 pg/ml   コルチゾール
88.6 ug/day
コルチゾール
15.1 ug/dl   アルドステロン
2.9 ug/day
アルドステロン
46.2 pg/ml   カテコルAT
365.4 ug/day
アドレナリン
53 pg/ml   ノルメタネフリン
4.83 mg/day
ノルアドレナリン
1828 pg/ml   メタネフリン
0.26 mg/day
ドーパミン 44 pg/ml   VMA 13.6 mg/day


13日後再検 
腎ダイナミックCT
ダイナミックCT

 

I-131MIBGシンチ  
48時間後 72時間後
48シンチ 78シンチ


診断  
右副腎褐色細胞腫からの後腹膜腫出血

副腎出血ー右側が多い …右側は左側に比較し大静脈の圧の影響を受けやすい
原因:ストレス、凝固異常、抗凝固療法、原発性の副腎不全、副腎腫瘍、特発性、動脈瘤などの血管病変
出血をきたす副腎腫瘍
 褐色細胞腫、副腎嚢胞、骨髄脂肪腫、副腎癌(内部)、副腎転移(稀)、腺腫や副腎血管腫(稀)

Radiographic 19: 949-963, 1999
丹羽篤朗46: 256-261 ,1993

褐色細胞腫
10% disease  
  家族性・遺伝性 
・両側
・副腎外発生
無症状 →→→→→→
・小児
・悪性



遺伝子や画像診断の進歩により最近では増加


 

・従来MIBGの褐色細胞腫に対する特異度 90-100%
・無症候性かつ血中ホルモン正常での副腎腫瘍に対して
 sensitivity100%/spcificity94%/accuracy96%/PPV83%/NPV100%と報告あり 

J Nucl Med 2001; 42: 884-892

 偽陽性:腺腫や副腎癌での集積 
 偽陰性:小径、出血や壊死例、副腎外病変など

■PETの有用性
18F-FDG PET /18F-FDA PET / 18F-FDOPA PET
 悪性化例・特にSDH→SDHB変異遺伝子を有する場合の転移病巣で18 F-FDG PET が有用

J Clin Endocrinol Metab 2009; 94: 4757-4767

無症候性により当初褐色細胞腫認識できずヨード造影剤を使用
 ・造影剤により、本例では症状やバイタルサインに異常はみられなかった。

低浸透圧造影剤使用→前後にてカテコラミン値に差なし

Ann Intern Med 2009; 150: 27-32

非イオン性造影剤→未治療の褐色細胞腫ないし傍神経節腫に副作用発現なし

AJR 2007; 188: 970-974

 

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Moderator: S病院