輪状膵、右腎細胞癌 |
【画像所見】
腹部単純写真(立位)
・胃の著明な拡張と液体貯留。
腹部超音波検査
・膵頭部腫大の疑い。
・右腎の2cm大の高エコー腫瘤。
腹部ダイナミックCT
・膵頭部には腫瘤としてははっきりしない。
・右腎の出血を伴うと思われる腫瘤。
・軽度の膵腫大、周囲脂肪織濃度上昇。
・膵頭部レベルでの総胆管や十二指腸下行脚の狭窄。その上流
・口側の拡張。
・胃小弯側の非特異的なリンパ節。
上腹部造影MRI
・膵実質が十二指腸下行脚を取り囲むように存在。
・右腎腫瘤は出血・壊死を伴う。
輪状膵 annular pancreas
・膵組織が十二指腸下行脚を取り囲む奇形。
・発生過程での腹側膵芽の回転異常。
・頻度:2,000〜20,000人に一人の割合。
・分類
完全型:全周性に十二指腸を取り囲む
不完全型:部分的に十二指腸を取り囲む
症状
・無症状のことも多い
・有症状の場合
小児: 十二指腸狭窄
成人(40〜60歳台): 十二指腸狭窄、消化性潰瘍、膵炎
診断
・腹部単純写真:double bubble sign
・CT、MRI:完全型では十二指腸を取り囲む膵実質を描出。
・MRCPではannular ductを描出。
治療
外科的治療
バイパス術(胃空腸吻合術など)
膵頭十二指腸切除など
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