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第320回東京レントゲンカンファレンス
2010年4月22日
症例8 60歳代 女性
   

樹枝状脂肪腫
lipoma arborescens of the knee



画像所見のまとめ

・膝蓋上包に関節液貯留
滑膜に乳頭状の増殖があり、脂肪成分を含有→滑膜はびまん性に肥厚・増強
・骨・軟骨に変性・壊死は目立たない

【治療】滑膜切除術          

【病理】
byori

 

【診断】 樹枝状脂肪腫 lipoma arborescens of the knee

 

樹枝状脂肪腫 lipoma arborescens of the knee

滑膜下に成熟脂肪組織が増生する疾患
・高齢者に多い
・変形性関節症や外傷による反応性病変と考えられている
・膝関節に好発し、膝蓋上包に多い
・約20%で両側性
滑膜は、絨毛状・乳頭状に増殖
・肥厚した滑膜には慢性炎症性細胞浸潤が見られる
・症状:疼痛が少ない持続する関節水腫
・治療:滑膜切除術(再発はまれ)

 

画像所見

【単純X線写真】
・膝窩上包に腫瘤
・骨侵食像は認めない

【MRI】
・関節腔に突出する、脂肪成分を含んだ樹枝状・乳頭状の腫瘤
・滑膜の肥厚・増強

 


 
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Moderator: 牛島 泰宏