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第321回東京レントゲンカンファレンス
2010年5月27日
症例4 40歳代 男性
   

低髄液圧症候群
spontaneous intracranial hypotension



本症例の画像所見
・両側性硬膜下液体貯留
・クモ膜下腔の狭小化・高吸収域
・脳幹周囲の脳槽の不明瞭化
・脳室の狭小化
・皮質静脈の拡張

 

くも膜下血腫    

SAH

???

 

外傷性くも膜下血腫    

外傷性くも膜下血腫

???

 

両側慢性硬膜下血腫    

慢性硬膜下血腫

???

 

鑑別のポイント

・脳幹周囲脳槽の不明瞭
・脳溝の不明瞭や狭小化。
・硬膜下液貯留の分布
 くも膜下腔狭小化・脳槽不明瞭との組合せ

 

低髄液圧症候群

【低髄液圧】
・特発性
・外傷後
  腰椎穿刺や開頭術脊椎手術後、外傷後の脳脊髄液漏出、髄液シャント術後の過剰吸引に続発する場合も

【症状】
立位坐位になると増強し横になると軽快する頭痛

【治療】
・保存的、安静
・硬膜外腔への自己血注入(blood patch)

 

Monro-Kellieの法則

【頭蓋内容積は一定】
・脳組織容量、血管(血液量)、髄液
Vbrain + Vblood +VCSF = 一定

【髄液圧減少を髄液以外(血液量)で代償】
・末梢の静脈の拡張
・硬膜下水腫


画像診断の役割

【低髄液圧症候群の診断】
・MRI

【髄液漏出の診断】
・MRI(MR myelography)
・CT myelography
・RI cisternography(111-I DTPA)
 

 

MR画像所見
【低髄液圧症候群の診断】
・比較的左右対称で均一な硬膜下液体貯留の分布。正常の脳脊髄液の信号と異なる。
・硬膜の造影増強効果

 

出題症例のその後の経過

・頸椎C1/2レベルでの髄液漏出が確認され、Blood patch(12ml)施行
・現在症状消失
 

 

MRI:低髄液圧の診断

・硬膜造影増強効果、肥厚
・硬膜下水腫様所見、硬膜下腔の拡大 → ときに硬膜下血腫
・静脈の拡張
・小脳扁桃下垂、脳幹の扁平化
・下垂体の腫大、鞍上槽の消失

・典型的な臨床症状 → 臨床症状がしっかりしていないときも

頭痛精査目的のCT検査では低髄液圧症候群に配慮を

 




 
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Moderator: 鈴木 智大