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第321回東京レントゲンカンファレンス
2010年5月27日
症例6 50歳代 女性
   

十二指腸ヘルニア(左傍)
left paraduodenal hernia



CT findings
・胃の背側、膵尾側に small-bowel loops
・small-bowel loops の右前方に腸間膜血管集中像及びヘルニア門(4cm程度)
・small-bowel loops の前方に下腸間膜静脈(IMV)を認め、前方に引き伸ばされている


手術所見
・腸間膜のヘルニア門に小腸が陥入していた。
・ヘルニア門の癒着を解除し、陥入していた小腸を解除。
・Treiz付近にヘルニア門を確認。
・ヘルニア門を3-0バイクリルにて縫合し、腸間膜と十二指腸を固定。
・小腸損傷、壊死を認めず、切除なし。
・生食2000mlにて洗浄し閉創。


診断
左側傍十二指腸ヘルニア (Left Paraduodenal Hernia)


左側傍十二指腸ヘルニア(Left Paraduodenal Hernia)
・内ヘルニア全体の40%
・傍十二指腸ヘルニアの75%
・特徴的な臨床症状:Postprandial pain, may date back to childhood
・傍十二指腸窩(Landzert’s fossa)に入り込むヘルニア
・左に向かって下行結腸間膜ならびに横行結腸間膜左部の背側に入り込む
・下腸間膜静脈(IMV)と左結腸動脈上行枝の背側を通る
・IMVの左背側にヘルニア嚢が存在


 
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Moderator: 明神 和紀