卵巣明細胞腺癌 |
▼T1強調横断像/T2強調横断像 |
▼脂肪抑制T1強調横断像/造影脂肪抑制T1強調横断像 |
▼MRI追加画像 |
T2強調横断像 |
T2強調矢状断像 |
画像所見のまとめ
・左卵巣由来と思われる骨盤腔内の嚢胞性腫瘤
・内容液がT1高信号、脂肪抑制されない
・内容液後方にT1高、T2低信号の貯留物
・嚢胞内に造影効果のある壁在結節
診断:卵巣明細胞腺癌
肉眼所見 組織所見
明細胞腺癌 |
肉眼標本 |
明細胞腺癌(参考)
・内膜症の癌化率 20代 0.57% 30代 1.29% 40代 4.11% 50代 21.9% 60代 49.1% → 年齢とともに上昇
・内膜症の手術適応
40歳以上で4cm以上、若年でも10cm以上、閉経後も残存する内膜症性嚢胞 など
・手術で可能な限り切除
術前の画像診断で、転移や播種がないかを確認
明細胞腺癌の画像
・大きな単房または多房嚢胞に、造影効果のある壁在結節を伴う
・内膜症を反映し、内容液はT1高信号(血液)
・充実性成分が優位となる頻度は低い
・画像上の鑑別として、嚢胞性卵巣腫瘍内の出血 (=鑑別難)
漿液性腺癌、類内膜腺癌; 充実成分が多い、進行癌が多い
粘液性腺癌; stained glass appearance
参考文献
・【子宮内膜症の新しい考え方】 病態 チョコレート嚢胞の癌化:野村弘行 他: 産科と婦人科 75 (1) 5-10, 2008
・婦人科癌 卵巣明細胞腺癌の特徴と取扱い:杉山徹 他: 癌と化学療法 35(2) 228-232, 2008
・Yoshikawa H, et al. Prevalence of endometriosis in ovarian cancer. Gynecol Obstet Invest 50:11-17, 2000
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