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第326回東京レントゲンカンファレンス
2011年1月27日
症例1 70歳代 女性
   

肝鎌状間膜ヘルニア
internal hernia through the falciform ligament


【手術所見】
・血性腹水が貯留。
・肝鎌状間膜の欠損部がヘルニア門となり、Treitz靭帯から2m肛門側の回腸50cmが肝鎌状間膜の左側から右側に向かって陥入し、絞扼性内ヘルニア嵌頓していた。ヘルニア門は肝円索を切離して開放とし、壊死に陥っていた回腸を切除・吻合。

肝鎌状間膜ヘルニア
・内ヘルニアはイレウス全体の0.2〜2%であり、肝鎌状間膜ヘルニアはまれであり、内ヘルニア全体の0.2%程度と報告されている。
・成因として先天性欠損、後天性の炎症、外傷、医原性などが考えられており、最近は腹腔鏡手術後の医原性欠損が注目されている。
・CT画像上はclosed loopを生じている部位および血流障害による腸間膜浮腫の領域を同定することで、ヘルニア門の部位を想定することが診断につながる。

 

 

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Moderator:石山 光富