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第330回東京レントゲンカンファレンス
2011年9月22日
症例7 70歳代 男性
    鼻腔原発悪性黒色腫
malignant melanoma


 


 

画像所見 ・左鼻腔内に主座を置く不均一な信号を呈するmass T1WI:iso〜high intensity
・左上顎洞内側壁に一部骨破壊像
・不均一な淡い造影効果
・(撮影範囲外)左顎下リンパ節腫大


鼻・副鼻腔腫瘍 1.Squamous cell carcinoma(70%)
2.Adenocarcinoma(10〜20%)
3.Malignant Lymphoma(5%)
4.Malignant Melanoma(3.6〜4%)

上顎洞への進展がやや認められ、骨破壊もあったが軽度
造影効果は弱め

扁平上皮癌
腺癌
悪性リンパ腫
悪性黒色腫
腺様嚢胞癌
乳頭腫
血管腫
血管線維腫
真菌性副鼻腔炎
esthesioneuroblastoma


病理所見 ・Pseudopapillary structureを示す上皮周辺異型細胞増生を認める
・CD56+、S100+(focal)、HMB45+(focal)

 

診断:Malignant melanoma

 


鼻・副鼻腔腫瘍 1.Squamous cell carcinoma(70%)
2.Adenocarcinoma(10〜20%)
3.Lymphomas(5%)
4.Melanomas(3.6〜4%)

・全悪性黒色腫の約1〜2.5%が鼻・副鼻腔に生じる
・50〜70代男性に好発
・好発部位:鼻腔内>上顎洞>篩骨洞 左側に多い 多発性
・5年生存率:6〜17%

画像所見 ・T1,T2WI:iso intensity
・T1WIで高信号域の混在
 ⇒出血やメラニンのparamagnetic effect
 ⇒10〜30%を占めるamelanotic melanomaの場合、メラニンの高信号が見られない
・骨のリモデリングが強い
・リンパ節転移を来たしやすい

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Moderator:丹野 啓介