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第333回東京レントゲンカンファレンス
2012年1月26日
症例3 30歳代 男性 : 腹痛、下痢、嘔吐
    臍腸管索
the fibrous band of omphalomesenteric duct remnant

 

臍に連続する卵黄腸管遺残の索状物による腸閉塞の症例

臍の構成物
1)臍静脈索(肝円索)
2)臍動脈索(内側臍索)
3)傍臍静脈
4)肝円索動脈
5)尿膜管索
6)卵黄腸管遺残
➀臍腸管瘻 ➁臍腸管洞 ➂卵黄腸管臍腸管嚢胞 ➃臍腸管索 ➄Meckel憩室

メッケル憩室の一般知識

概 念 卵黄腸管の遺残による小腸の真性憩室であり、剖検例の2%に存在する。消化管の先天奇形では最も頻度が高い。
男:女=2.5:1 Crohn病の5-8%
部 位 回腸末端から口側90cm以内に多い。腸管膜対側が約70%
合併症 多くは生涯を通じ無症状に経過。 15〜25%が合併症を併発。
イレウス(35%)、潰瘍出血(15%)、腸重積(15%)、憩室炎(13%)、穿孔(7%)10歳以下が6割。
子供は潰瘍出血。大人はイレウス。
病理所見 異所性組織が約20%の症例に認められる。
胃粘膜が62.4%、膵組織が16.1%、異所性胃粘膜と膵組織の共存が5.4%、空腸が2.1%


「子供は出血 大人はイレウス をめっける」と覚えよう。

参考文献
・Angela D.Levy.From the Archives of the AFIP.Radio Graphiics 2004;24:565-587