JCR TOP 東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第333回症例 症例4:呈示 ≫ 症例4:診断と解説
第333回東京レントゲンカンファレンス
2012年1月26日
症例4 20歳代 女性
    侵襲性血管粘液腫
aggressive angiomyxoma


単純CT / 造影CT   T2強調画像 軸位断像
<>  

STIR 矢状断像
 
T1強調画像 矢状断像
 

STIR 矢状断像
 
MRI造影前 / MRI造影後
 


外科にて切除術が施行された   STIR 矢状断像   免疫染色
    desmin (-)
α – smooth muscle actin (-)
S – 100 (-)
estrogen receptor (-)
progesterone receptor (-)

診断:Aggressive angiomyxoma

aggressive angiomyxoma ・ 20-40歳代の女性に好発
・ 外陰、骨盤内、もしくは外陰〜骨盤内にまたがって発育することが多い
・ 術後の局所再発率が高い(33-72%)
そのために “aggressive”と名付けられている (予後は良く、臨床的にaggressiveと言うわけではない)

<画像所見>
・ 境界は比較的明瞭、辺縁が不整な場合もある
・ CT : 骨格筋より低吸収造影では内部が渦巻状、層状に増強
・ MRI : T2強調画像で高信号を示し渦巻状、層状の低信号を伴う造影後、低信号の部分が増強
(粘液基質と線維血管間質のそれぞれの成分を反映)

AJR; 172, 435-8, 1999
日泌尿会誌; 90, 882–5, 1999,  画像診断; 26, 188-9, 2006

<鑑別すべき疾患➀>angiomyofibroblastoma
aggressive angiomyxomaと比べて
・サイズが小さい(多くは5cm未満)
・腫瘍辺縁は平滑
・T2強調画像でより均一な高信号
・造影MRIで均一に強く増強(腫瘤全体で浮腫状の間質を背景に小血管の増生を認めるため)

画像診断; 26, 190-1, 2006
日産婦関東連会誌; 46, 379―85, 2009

<鑑別すべき疾患➁>cellular angiofibroma
aggressive angiomyxomaと比べて
・サイズが小さい
・腫瘍辺縁は平滑
・T2強調画像で信号が低くなる (間質の粘液が少なく、細胞密度が高く、膠原線維が多い)

画像診断; 30, 222-5, 2010
J. Magn. Reson. Imaging; 29, 1195–8, 2009

 

≪≪症例提示へ戻る
Moderator:加藤 聡