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第334回東京レントゲンカンファレンス
2012年2月23日
症例4 70歳代 男性
    肺放線菌症
pulmonary actinomycosis

 

 発症5日前/発症6日前
 
 救急受診時胸腹部CT(造影2ml/sec 70秒後 肺野条件 2.5mm厚/1cm間隔軟部条件 5mm厚)

両肺には多発転移病変が認められているが、左上肺S3aもしくはS1+2cに単発腫瘤が出現している。
中心に空洞があり、周囲にhalo signのスリガラス影がみられ、葉間方向へ伸びている。
スリガラス影は葉間を押すようにみえ、その一部が葉間を横断している。

 

 

所見のまとめ・背景に多発肺転移病変
・急速増大し、空洞を伴う単発腫瘤
・CT halo sign(+)
・近接する葉間胸膜の肥厚
・左下葉への葉間を越えた進展

感染症 ・細菌
・真菌 Aspergillus
Actinomycosis
Nocardia
Cryptococcus
Mucormycosis
Candida
・抗酸菌 結核、NTM
腫瘍性病変 ・転移病変+細菌感染
血管炎 ・Wegener肉芽腫症
その他 ・Lymphomaなど


気管支鏡検査

 
   
  ・TBLB
   ーPAS染色,Grocotto染色で真菌は陰性。
 ー HSV、VZV、CMVは陰性。
 ー 悪性所見なし。
  ・洗浄液
   ーActinomycosisの菌塊(ドルーゼ)(+)

最終診断:Pulmonary actinomycosis(背景に多発肺転移)

 

Actinomycosis・ 放線菌は、不衛生な口腔内にみられる常在性の弱毒性嫌気性菌により引き起こされる慢性化膿性肉芽腫性疾患。
・Risk factor:アルコール多飲歴。
・臨床症状は、発熱・咳嗽など非特異的。
・菌塊が病変の深部に存在することが多く、周囲は肉芽組織で囲まれて、通常の針生検で確定診断を得るには苦労する。
・内部に低吸収域を含む浸潤影もしくは腫瘤影。
・気管支拡張、隣接する胸膜肥厚, 胸水貯留。
・葉間を越え、隣接肺へ進展することもある

当院の過去症例

Kim TS et al. Thoracic actinomycosis: CT features with histopathologic correlation. AJR. 2006 Jan;186(1):225-31.
Cheon JE et al. Thoracic actinomycosis: CT findings. Radiology. 1998 Oct;209(1):229-33.


Take Home Point内部に低吸収域や空洞を伴う腫瘤影/コンソリデーションで、胸膜への浸潤や胸膜を超えるような変化を伴う場合には、肺放線菌症も鑑別疾患の一つに挙げることが重要。

 

 

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Moderator:原口 貴史、負門 克典