多中心性キャッスルマン病 multicentric Castleman’s disease |
CT所見のまとめ
・両肺びまん性に小葉中心性の淡く不鮮明な分岐状〜粒状影 ・小葉間隔壁、気管支血管束のわずかな肥厚 ・縦隔内、肺門部リンパ節の軽度腫大、軽度〜中等度の造影増強効果 ・軽度の脾腫 |
鑑別診断
・Multicentric Castleman Disease
・低悪性度リンパ腫
・膠原病肺(とくにシェーグレン症候群)
・LIP
・IgG4関連疾患
・サルコイドーシス
・HABA(HTLV-1 associated bronchiolo-alveolar disorder)and/or ATL (Adult T-cell leukemia/ lymphoma)
顔面から体幹中心に3,4mm大の紅斑が多発 |
背部から皮膚生検を施行 |
真皮浅層から中層にかけて毛細血管周囲性および皮膚付属器周囲性に形質細胞、リンパ球を主体とする炎症細胞浸潤 |
・Monoclonal な増殖ではない。 ・Castleman diseaseを示唆するlymphoid follicular hyperplasiaは見られない。 |
診断:Multicentric Castleman Disease
Multicentric Castleman Disease
・ リンパ増殖性疾患の一つで、Localized Castleman Disease に対し全身に認められるものをMulticentric Castleman Diseaseとして定義される。
・組織学的分類
ー Hyaline vascular variant
ー Plasma cell variant
ー Mixed variant
・Plasma cell Castleman diseaseはしばしば症状を有する。
(a)発熱、盗汗、倦怠感
(b)貧血、血小板減少、高γグロブリン血症など
(c)脾腫
・近年、HIV患者やその他の免疫不全患者に好発するHHV-8関連Castleman Diseaseという予後不良の一群が存在することが知られている。治療は全身化学療法、抗ウイルス薬、抗IL-6受容体抗体(tocilizumab, silituximab)、抗CD20抗体(rituximab)など。
→ 本症例 HHV-8: 100 C/ml未満
・Il-6の過剰産生が病態に関与していると言われ、血清IL-6は病勢と相関して高値になることが知られている。IgG4関連疾患との鑑別の一助になることもある。
→ 本症例 IL-6: 19.5 pg/ml (正常 <2.41)
BoneKamp D. et al. Castleman Disease: The Great Mimic. Radiographics 2011; 31:1793-1807
本症例 |
Bilateral hilar L/N enlargement |
Johkoh T et al. Intrathoracic Multicentric Castleman Disease: CT Findings in 12 Patients. Radiology 1998; 209:477-481
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