casetop
東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第337回症例 ≫ 症例:診断
第 337 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年6月28日]
症例6 30歳代 女性 : 下腹部痛
子宮筋腫茎捻転
torsion of uterine leiomyoma

 

 鑑別

・子宮筋腫茎捻転
・卵巣腫瘍茎捻転
・子宮筋腫の赤色変性
・Female adnexal tumor of probable Wolffian origin など


 

 子宮筋腫茎捻転のCT 所見

・子宮に連続する腫瘤
・茎部が細く長いほど捻転しやすく、筋腫が大きいほど不可逆性
・造影効果なし
・静脈鬱滞(浮腫、鬱血)→動脈閉塞(梗塞)→感染、腹膜炎
・筋腫と連続する子宮部分は造影効果あり(捻転した茎部を反映)
・出血性梗塞の場合、単純CT で高吸収域(50-55 HU)を含む
・両側卵巣は正常:卵巣腫瘍(線維腫、莢膜細胞腫など)茎捻転との鑑別に有用

 

 Female adnexal tumor of probable Wolffian origin

境界明瞭な卵円形腫瘤、中心壊死の合併
T1WI:低〜等信号、T2WI:低〜軽度高信号
拡散能の低下、均一な造影効果

 

 画像所見のまとめ

・静脈鬱滞(浮腫、鬱血)→動脈閉塞(出血性梗塞)→感染、腹膜炎
・均一な被膜の造影効果(浮腫により閉塞した末梢静脈、リンパ管)
・腫瘤の造影効果なし(血流不全、梗塞)
・小高吸収域(50-55 HU)(出血性梗塞)
・腫瘤と子宮との連続性
・茎部は細く長いほど捻転しやすい
・筋腫が大きいほど捻転は不可逆性
・腫瘤と連続する子宮部分の造影効果(捻転した茎部)
・両側卵巣は正常:卵巣腫瘍(e.g., 線維腫、莢膜細胞腫)茎捻転との鑑別に有用

 

参考文献
・Matsuki M et al. BJR 1999;72:911-3.


戻る