眼窩内海綿状血管腫 cavernous hemangioma of the orbit |
▼ 病理 海綿状血管腫 | ||
2.0×1.3×1.0cm大の被膜のある暗赤色腫瘤で、組織学的には不規則に拡張する血管構造の増生が見られる。一部に器質化血栓が見られ、血管の間には繊維性結合組織が見られる。悪性像なし。 |
画像所見 |
・右眼窩筋円錐内に見られる表面平滑な腫瘤。
・T1強調像にて脳実質と同等の低信号。
・T2強調像にて比較的強い高信号。
・腫瘤の背側から前方に向かい、強い造影効果が経時的に進展している。
・被膜が疑われる。
眼窩腫瘍の統計 | |||||||||||||||||||||||||||
良性腫瘍 36例 | 悪性腫瘍 20例 | ||||||||||||||||||||||||||
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水野嘉信.病理組織診断を行った原発性眼窩腫瘍56例の検討.あたらしい眼科.22(6):850-852,2005.
好発部位 |
眼窩筋円錐内 | 眼窩筋円錐外 | 眼窩筋円錐内・外・内外 |
視神経腫瘍(髄膜腫、膠腫など) 静脈瘤 |
涙腺腫瘍(多形腺腫、腺様嚢胞癌、リンパ腫)
涙腺病変 |
悪性リンパ腫
偽腫瘍 |
画像診断リファレンス 眼窩・耳鼻咽喉・口腔領域のMRI p.6より一部改変
海綿状血管腫の画像所見 |
筋円錐内に見られる境界明瞭な卵円形腫瘤
【CT】石灰化
【MRI】T1強調像:眼筋と等信号/T2強調像:均一な高信号
【Gd造影】早期の造強効果は不均一で、経時的に強い増強効果が拡がり、より均一になる。
眼窩内海綿状血管腫 |
眼窩内海綿状血管腫 (n=214)(1986年1月1日から2000年12月31日)
女性 126症例 男性 88症例
平均年齢 39.4歳(5歳から 68歳)
左側眼窩 127症例 右側 87症例 両側性なし。
臨床所見:痛みのない徐々に進行する視力障害、眼球突出。
症例の 93% (199/214) がecho、CT、MRIにより術前に診断可能。
Take Home Message |
卵巣腫瘍において、MRI T2WIで強い低信号を示す充実成分もしくは隔壁/壁肥厚を認めた場合、(嚢胞)腺線維腫を鑑別に挙げる必要がある。
参考文献
Orbit. 2004 Mar;23(1):33-40.
Cavernous hemangioma of the orbit: analysis of 214 cases.
Yan J, Wu Z.
Zhongshan Ophthalmic Center, Section of Ocular Oncology & Orbital Disease, Sun Yat-sen University, Guangzhou, People’s Republic of China.
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