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第 338 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年9月27日]
症例5 50歳代 女性 : 検診にて右葉に嚢胞性病変を指摘
出血性肝のう胞(血管腫による)
hemorrhagic liver cyst caused by hemangioma

 

 肝多房性嚢胞性病変 鑑別診断

・嚢胞腺腫:嚢胞腺癌 ─IPNB、MCNに分類
・出血性肝嚢胞
・寄生虫:通常は内部の造影効果はなし
・multicystic biliary hamartoma:蜂巣状 鎌状間膜近傍の被膜 内部の造影効果 など

 

 Hemorrhagic liver cyst

・Simple cystへの出血
・高齢者に多いとされる
・大量出血は急激増大や右上腹部痛などの症状を起こすが、無症状のことも多い
・CA19-9が時に上昇
・所見は時期により異なる
・USではdiffuse irregular hyperechogenecity
・CT、MRIにて多房性嚢胞性病変
・壁在結節があっても造影効果が無いことが特徴(血栓を見ているとされる)

 しかし
・壁在結節に造影効果を伴うことが稀にあり、血栓の器質化を見ていると報告されている
・血管腫が壁在結節として認められたという報告は検索した範囲では見つからなかった

 

参考文献
・Agrawal S, Khurana J, Sahu M. Hemorrhagic liver cyst. Journal of gastrointestinal surgery?: official journal of the Society for Surgery of the Alimentary Tract 2012;16(8):1629–31.
・Hagiwara A, Inoue Y, Shutoh T, Kinoshita H, Wakasa K. Haemorrhagic hepatic cyst: a differential diagnosis of cystic tumour. The British journal of radiology 2001;74(879):270–2.
・Kitajima Y, Okayama Y, Hirai M, et al. Intracystic hemorrhage of a simple liver cyst mimicking a biliary cystadenocarcinoma. Journal of gastroenterology 2003;38(2):190–3.


 

 

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