casetop
東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第344回症例 ≫ 症例:診断
第 344 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年5月23日]
症例6 40歳代 男性 : S状結腸憩室炎の精査・加療中にCTにて膀胱腫瘤の疑い
膀胱パラガングリオーマ
paraganglioma of the urinary bladder

 

 膀胱パラガングリオーマ

・全膀胱腫瘍中の膀胱パラガングリオーマの割合は約0.05-0.1%.
・男:女=1:3, 平均年齢45 歳(16 歳〜74 歳)
・膀胱壁内の筋層,粘膜下に存在する交感神経系のクロム親和性細胞より発生.
・症状:高血圧63%,血尿58%,排尿時発作(頭痛,動悸,高血圧,発汗)46%.

一般的な画像所見
・T1 強調像で筋と低〜等信号,T2 強調像で高信号.
・著明な造影増強効果を呈する.

 

 パラガングリオーマ以外の鑑別

腫瘤の存在位置→膀胱平滑筋腫、SFT、前立腺癌、異所性前立腺など
腫瘤の信号→血管腫


 まとめ

・パラガングリオーマは手術操作により,著しい血圧変動,不整脈が予想され,術後の管理にも注意を要する.
・そのため,画像でパラガングリオーマの疑いがある場合は,頻度は少なくとも可能性を示唆することが重要と思われる.

 今回の呈示目的

「膀胱にも生じる」ことを再確認
知っているが見たことが無い方と画像を共有

 

 

参考文献
・Cheng L, et al. Cancer 2000; 88: 844-852.
・Das S, et al. Urology 1983; 21: 20-25.
・Chen M, et al. AJR Am J Roentogenol. 1997; 168: 399-403.

戻る