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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第346回症例症例:呈示
第 346 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年9月26日]
症例1 30歳代 女性
虫垂根部の子宮内膜症 (およびそれに伴う虫垂拡張)
endometriosis of the appendiceal orifice

 

画像所見
 
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 画像所見まとめ

・回盲部〜虫垂根部に腫瘤性病変をみとめ、虫垂が拡張している。
・腫瘍は T1WI…低信号 T2WI…低信号
・注腸造影で、壁外からの圧迫が主体であることが疑われる。
・右卵巣に内膜症性嚢胞を認める。

 

 腫瘤性病変の鑑別診断

虫垂根部の虫垂癌または回盲部癌 → T2WIは中等度信号が典型
子宮内膜症 → 右卵巣内膜症性嚢胞もあり、画像的にも一致
カルチノイド → T2WIは通常高信号
デスモイド → T2WI低信号で鑑別にあがるが、手術歴などはない。

 ⇒腹腔鏡下回盲部切除・右卵巣嚢腫核出術施行

 

 病理

img   虫垂は拡張しており、壁肥厚を認めます。
内腔には粘液の貯留を認めます。
→割面では回盲弁を中心に腸管壁の肥厚を認め、一部腫瘤を形成していました。
     
img   ・回盲弁を中心とする腫瘤は、子宮内膜症に伴う腸管壁の変化として認められます。 子宮内膜症の内膜腺が粘膜下層から固有筋層、漿膜下層にまで広く分布しており、同部位の固有筋層の肥厚・線維化を伴い腫瘤を形成しています。

・虫垂壁は肥厚しており、漿膜下層のごく一部に子宮内膜症を認めます。
拡張した内腔を裏打ちする上皮には軽度の過形成を認めます。

 

 

 子宮内膜症について

・生殖可能年齢女性の約5〜15%に認められる。
・骨盤内(卵巣、腹膜、Douglas窩)に多いが、それ以外に発生したものを異所性子宮内膜症という。
・腸管(虫垂を含む)、膀胱・尿管、腹壁、横隔膜・胸郭内等、あらゆる場所に発生しうる。
・虫垂へ播種した際、虫垂粘液瘤を生じることが多い。
・画像上、悪性腫瘍との鑑別は困難であることが多い。
・各画像検査の特徴

CT… 浸潤を呈する腫瘤として描出されることが多い

MRI… 内膜症性嚢胞 T1WI 高信号、T2WI 高(〜低)信号
    子宮内膜症  T1WI 低信号、T2WI 低信号

(腸管内膜症)
注腸造影… 壁外性圧排・腸管狭窄が認められ、 腫瘍との鑑別は困難であるが、腸管浮腫・びらんは伴わない

 

 

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Moderator: 切通 智己