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第 349 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年1月23日]
症例1 70歳代 男性 : 胸部レントゲンで異常影指摘。後縦隔に腫瘤を認めたが経過観察。2 年後腫瘤増大
後縦隔骨髄脂肪腫
myelolipoma of the posterior mediastinum

 

 骨髄脂肪腫

・脂肪組織と正常造血成分(赤芽球系、顆粒球性、巨核球性を含む)からなる稀な腫瘍。
  (1905年に初めて報告、副腎外は1972年に初めて報告)
・良性で非機能性。
・副腎皮質に好発。
・副腎外では仙骨前面(副腎外の50%以上)や腎周囲の後腹膜に発生。胃、肝臓、肺、縦隔ではごく稀。
・縦隔での発症頻度は骨髄脂肪腫全体の3%。主に下部縦隔に発生。
・無症状、胸部レントゲンで発見される例が多い。
・MRI→T1、T2WI 高信号域を含有する。
・CT→境界明瞭平滑、内部に限局性低吸収域を含有する。


 Myelolipoma の鑑別疾患

Neurogenic tumor
Extramedullary hematopoiosis
・Lymphoma
・Adenopathy
・Liposarcoma

後縦隔における脂肪含有腫瘤の鑑別に骨髄脂肪腫を加える必要がある。
後縦隔の軟部腫瘤として経過観察されている症例で、内部に脂肪濃度が限局性に認められるようになった場合は、骨髄脂肪腫が鑑別にあがる。

 

参考文献
・Oncolgy Letters 5:862-8641.2013
・Gen Thorac Cardiovascular Sur, 11 March 2013
・CLEVELAND AND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE Feb 1991:69-71

 


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