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第 351 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年4月24日]
症例2 30歳代 女性 : 頭痛、悪心、嘔吐
中枢性神経細胞種
central neurocytoma

 

 (central) neurocytoma

全脳室内腫瘍の10%、頭蓋内腫瘍の0.1-0.5% WHO分類 grade II
側脳室Monro孔近傍に好発 未成熟な神経細胞で形成
境界明瞭、充実部は造影剤増強効果あり
腫瘍内に小さな嚢胞成分の集簇を伴う事が多い

付着部は側脳室壁や透明中隔が多い
一般に脳実質への浸潤は認めない

 

 鑑別疾患

➀上衣腫:小児好発だが広い年齢層にみられる(30〜40歳台にも多い)
 嚢胞、壊死、石灰化、出血あり
➁転移:高齢者、全体が造影される事が多く石灰化はまれ
➂上衣下腫:40〜60歳代の中高年に好発
 造影剤造影効果を認めない例が多い

MRS: Neurocytoma
Choline peak 上昇
creatinine, NAA 低下
Glycine/creatinine 比上昇
glycine peak(3.55ppm)の上昇が特徴的。
(glycine: serineから合成される神経伝達物質で未成熟な発育する神経細胞では興奮性の作用を有する。Neurocytomaにglycine peakがみられる理由として本病変は未成熟な神経細胞で形成されており➀glycinergic neuronのtransformationを反映、➁glycine自体の過産生もしくは減成しにくい為等の説有り。)
glycineとほぼ同様の部位にpeakを持つMIとの鑑別が重要だがMRS PRESS法でTEを比較的長く設定してもglycine peakは検出される事がポイント。

 

 Take home message

年齢、腫瘍の性状の他にMRS glycine peakが脳室内腫瘍、中枢性神経細胞腫の鑑別に役立つことがある。

 

参考文献
・Chuang MT et al. 2005.J Comput Assist Tomogr29:683-688
・Ing Berne Yeh et al. Magnetic Resonance Imaging 26(2008)59-64
・Rama Jayasundar et al. Journal of Magnetic Resonance Imaging17:256-260(2003)
・Barbara Bobek-Billewicz et al. Folia Neuropathologica 2010; 48(3):190-199
・J Lee et al. Neurosurg Clin N Am 14(2003)483-508

 


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