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第 351 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年4月24日]
症例4 20歳代 女性 : 4ヶ月程前から左頸部腫張を自覚
異所性過誤腫性胸腺腫
ectopic hamartomatous thymoma

 

 異所性過誤腫性胸腺腫

・1982年 Smithら(J Clin Pathol 1982,35,p1074)により最初の症例報告がなされた。
・1984年 Rosaiら(Am J Surg Pathol 1984,8,p501)により、
  頸部の異所性胸腺組織に由来した過誤腫と腫瘍の両者の性格を併せ持つ病変として提唱された。
・現在は、第3,4咽頭嚢、His頸洞の胸腺原基由来とする説が有力。

組織学的特徴
➀ 紡錘形細胞・・・サイトケラチン陽性
➁ 上皮組織・・・EMA陽性
➂ 成熟脂肪組織・・・辺縁部、時に内部にもあり

組織学的鑑別診断
➀ 二相型滑膜肉腫
➁ 悪性末梢神経鞘腫瘍
➂ SETTLE
➃ 唾液腺または皮膚付属来由来の混合腫瘍

診断上の特徴的所見
・ 成人:20〜30歳代
・ 男性≫女性(4.5〜10:1)
・ 発生部位:
・鎖骨上、胸骨上、胸骨前
  胸鎖乳突筋の表層か深部
・ ゆっくり増大
・ 画像:
  良性所見
  辺縁(および内部)に成熟脂肪の存在

 

参考文献
Am J Surg Pathol 2004,28,p1360
Pathology 2000,32,p142
Hum Pathol 1990,21,p662
Head Neck 2002,24,p800
Virchows Arch 2000,437,p643

 


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