ポイツ・ジェガース症候群 Peutz-Jeghers syndrome |
下部消化管内視鏡検査 |
いずれもHyperplastic polyp |
ポリポーシス |
・定義;ポリープの個数が100 個以上に及ぶ.
・ポリポーシスの分類 | 遺伝性 | 非遺伝性 | |
腫瘍性 | 家族性大腸腺腫症 (Gardner症候群) | ||
非腫瘍性 | 過誤腫性 | Peutz-Jeghers症候群 Cowden病 若年性ポリポーシス |
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炎症性 | 炎症性ポリポーシス Capポリポーシス |
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その他 | 過形成性ポリポーシス 良性リンパ濾胞性 Cronkhite-Canada症候群 |
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Morson BC, et. al. Histological typing of interstinal tumours, WHO, 1976 |
CT enterography |
本症例では
食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシス
口唇,口腔の色素沈着
家族歴(長男もPJS)にて,Peutz-Jeghers 症候群の診断.
固形癌の合併はないと判断.(肝の低吸収;静脈に沿った変性疑い)
鑑別疾患 |
・若年性ポリポーシス
極めて稀.蛋白漏出性胃腸症の合併.
全消化管に発生.
高い癌化率;約10〜20% に大腸癌,約20〜40% に胃癌を合併.
・Cronkhite-Canada症候群
蛋白漏出性胃腸症を高率に合併.90%に下痢.
外胚葉性病変;皮膚の色素沈着,脱毛症,爪甲異常.
・Cowden病
食道病変が特徴
皮膚病変;顔面の外毛根鞘嚢腫,四肢の角化性丘疹,口腔粘膜の乳頭状変化.
Peutz-Jeghers 症候群 |
・食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと,口唇,口腔,手足などの色素沈着を特徴とする常染色体優性遺伝性疾患.
・診断
1. 色素斑の存在(口唇,口腔粘膜,四肢末端など)
2. 食道を除く過誤腫性消化管ポリープ
3. 家族歴
の3 徴候がそろえば確定.
家族歴がなくても 1, 2 がそろえば診断可.
・食道を除く全消化管に発生.発生頻度は小腸が最も高く(小腸>大腸>胃>十二指腸),数も多い.
・大きさはさまざまであるが,大きくなるにつれ分葉状,有茎性となる.
PJSの合併症
【前期合併症】
ポリープによる腸重積,出血,腹痛
【後期合併症】
・癌化;1〜3.8%
ポリープの大きさに相関して腺腫,腺癌
合併率が上昇.
1 cm 以上では5% ,3 cm 以上では8.8〜15% が腫瘍化.
・悪性腫瘍
消化器癌,子宮癌,卵巣癌,精巣癌,肺癌など.
PJSの検査,治療
【検査】
消化管病変診断
・小腸造影
・カプセル内視鏡
・ダブルバルーン内視鏡
・CT enterography
【治療】
原則,ポリープの内視鏡摘除.
バルーン内視鏡での深部小腸ポリープ摘除.
摘除するポリープの大きさの目安は10 mm 以上.
結語 |
・家族性発症の過形成ポリポーシスを呈するPeutz-Jeghers症候群の1例.
・ポリポーシス症例での小腸病変の評価にCT enterographyが有用であった.
・ひきつづき,頻回なpolypectomy, CT等による合併症のサーベイランスが必要.
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