腎結核性肉芽腫 renal tuberculous granuloma |
所見のまとめ |
・右腎に多発する境界不明瞭な造影不良域
・腎杯構造が保たれている
・6ヶ月後 やや増大から著変なし
・膀胱癌に対しTURBT4回
鑑別診断 |
・腎梗塞 ・Bellini管癌 ・浸潤性尿路上皮癌 ・腎結核性肉芽腫 |
診断:腎結核性肉芽腫(BCG膀胱内注入療法後)
BCG膀胱内注入療法 |
・筋層非浸潤性膀胱癌の治療や再発予防目的。有効性は確立。
膀胱癌診療ガイドライン2009年版. 12-39, 2009
<副作用>
一般的;膀胱刺激症状、血膿尿、発熱
まれ;肉芽腫性炎症性前立腺腫瘤 0.9%
肉芽腫性炎症性腎腫瘤 0.1%
精巣上体炎、肝障害、間質性肺炎、敗血症など
Donald L et al, J Urol 147:596-600, 1992
沼尾昇ほか, 泌尿器科紀要 46:109-111, 2000
腎結核性肉芽腫 |
・機序:➀VURによる直接波及、➁血行性
<特徴>
・腎杯構造は比較的保たれる
・“the central unaffected calyx sign”
Senes AT et al, Br J Radiol 80:e230-233, 2007•
・膀胱病変と同側(VUR側)、多発する
Ma W et al, AJR 192:1494-1500, 2009
Stanisic TH et al, J Urol 135:356-358, 1986
・尿路より腎実質に向かって等方向性に進展する
堀内沙矢ほか, 臨床放射線 59:854-858, 2014
悪性腫瘍との鑑別点 | |
浸潤性尿路上皮癌: | 皮質が比較的保たれる 腎杯・腎盂・尿管へ浸潤 リンパ節転移など 膀胱癌の既往 |
腎結核性肉芽腫: | BCG膀胱内注入療法後 |
▼9ヶ月/15ヶ月/30ヶ月 | |
結語 |
・膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法後には、結核性肉芽腫の出現に留意する
参考文献
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