症例８　40歳代　男性

MALT リンパ腫 MALT lymphoma

 

肺多発結節の鑑別診断

・多発原発性肺癌
・転移性腫瘍
・MALTリンパ腫/リンパ腫/リンパ増殖性疾患
・肺真菌症
・肺抗酸菌症
・炎症性偽腫瘍
・肺膿瘍
・Granulomatosis with polyangiitis
・サルコイドーシス
・COP
・アミロイドーシス

 

肺多発結節の鑑別診断
・多発原発性肺癌 ・転移性腫瘍 ・肺MALTリンパ腫/肺リンパ腫 ・炎症性偽腫瘍 ・肺膿瘍 ・Granulomatosis with polyangiitis ・サルコイドーシス ・COP ・アミロイドーシス

 

最終診断：肺MALTリンパ腫　　IgH遺伝子再構成あり　参考値（sIl-2 543U/ml）

 

VATS生検（右肺中葉S4・下葉S9）

肺MALTリンパ腫

・肺原発性リンパ腫の54-58%
・多発/孤発性結節あるいは consolidation
・Air bronchogram がしばしばみられ、通過する気管支拡張あるいは逆に狭窄
・CT angiogram sign（造影CT）
・辺縁にすりガラス影（Halo sign）〜ときに粒状病変（Galaxy sign 様）
・小葉間隔壁肥厚
・胸水（10-33%と報告されるが… ）
・リンパ節腫大は少ない（30%と報告されるが…）

 

肺リンパ管
A．	表在性リンパ管
	胸膜下リンパ管
B．	深在性リンパ管
	小葉間結合織内リンパ管 肺静脈周囲リンパ管 気管支周囲リンパ管 気管支粘膜下リンパ管 気管支外膜リンパ管 肺動脈周囲リンパ管
C．	肺胞壁リンパ管
	× 肺胞壁にリンパ管はない ○ 肺胞壁にリンパ管は認識できない→おそらくある（Expert opinion）

 

Take Home Points

・びまん性肺疾患だけでなく、肺結節性病変でも既存構造との関係を意識するべきである
・辺縁の粒状病変、胸膜に沿った病変の存在は肺MALTリンパ腫の診断の重要な手がかりになる

 

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Moderator：　負門　克典

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