淡明細胞型腎細胞癌 clear cell renal cell carcinoma |
AVF componentを伴う腎細胞癌 |
・稀ではない. 14%のRCCに伴うとの報告もあり。
Crotty KL. et al. J Urol 1993;150:1355-1359・臨床所見
ー Small AVF;通常、無症状
ー Large AVF;呼吸苦などの心不全症状、血尿、腹痛 etc
Rodgers MV. et al. Circulation 1975;52(2):345-350
Bosniak MA. Radiology 1965;85(3):454-459・予後:血行性転移(特に肺転移)を生じやすい
Maeda M. et al. The Japanese Journal of urology.1968;59:837-844
臨床的ピットフォール:high-flow AVFによる症状を契機に発見されることもある
画像診断的ピットフォール: 腫瘍の充実部分が著明なAVF componentによってmaskされてしまうことがあるPrando A. et al. Radiographics. 2006;26(1):233-244↓
AVFとRCCの鑑別はときに容易ではない
腎のみではなく、転移組織にAVFが生じることもある!(肺、骨など)
Won KS. et al. Clin Radiol. 2007;62(8):812-816
凝固第XIII因子
・凝固系カスケードの最終段階に関与
・機能: フィブリン血栓の安定化
・創傷治癒や妊娠維持に必要不可欠
Schroeder V, Kohler HP. J Thromb Haemost. 2013;11(2):234-244
Classical blood coagulation pathway
後天性血友病XIII:Autoimmune hemophilia-like disease due to anti-factor XIII antibodies |
・疫学:これまでに国内で44例の報告あり。平均 71.7 ± 9.3 歳、性差なし
・原因:自己免疫性疾患、薬剤、癌 etc.
16% の症例に癌の合併あり (皮膚癌, 膀胱癌, 胃癌 etc.)
・臨床症状:重篤な出血傾向
筋内(72%)、皮下(72%)、頭蓋内(13%)、腹腔内(13%)、消化管(9%)、後腹膜(6%)
・検査所見、診断:PT, APTT や出血時間は正常範囲内でよい!!
抗第XIII因子抗体の検出
Ichinose A. et al. Haemophilia 2015,1-6 (Epub ahead of print)
Take home point |
・AVF 所見にマスクされ、腫瘍性病変の同定が難しいRCC(RCCの転移)が稀に存在する
・一般的な検査所見上、明らかな原因を指摘できない重篤な出血傾向を認めた場合、抗第XIII因子抗体に伴う後天性血友病XIIIが鑑別のひとつに挙げられる。
参考文献
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