多中心性膠芽腫 multicentric glioblastoma |
所見のまとめ |
・左頭頂葉、左後頭葉、左側頭葉の病変。
・左側頭葉についてはメチオニンPETでのみ異常あり。
・左頭頂葉、左後頭葉の病変
造影効果はあるが、造影パターンが異なる。
拡散の制限ははっきりしない。
メチオニンPETで集積あり
多発性造影増強効果を示す病変 |
*腫瘍性 → 転移性脳腫瘍、glioblastoma、悪性リンパ腫
*炎症性 → 脳膿瘍、血管炎、septic emboli
*脱髄性 → 多発性硬化症
*脳血管障害 → 出血性脳梗塞、亜急性脳梗塞)
*感染症 → HIVなど免疫力低下;トキソプラズマ、サイトメガロウィルス、クリプトコッカス
18F-FDG PET(追加画像) | |
SUVmax :11.10 | |
SUV max : 13.97 |
確定診断:病理診断: glioblastoma(グレード 4) MIB-1=21.4%
Multicentric Glioblastoma |
・glioblastomaの2.4%という報告がある。
・特徴:glioblastomaを疑う病変が脳実質内に多発するが、明確な進展経路を示せない。
・予後:glioblastomの中でも悪く、平均予後が3ヶ月という報告もある。
11C-Methionine PET
・11C-Methionineは、アミノ酸トランスポーターにより血液脳関門を通過し、蛋白合成により腫瘍細胞の一部として取り込まれる。
・腫瘍は細胞新生が活発で、特にアミノ酸代謝が活発になるため集積する。
・正常脳組織はアミノ酸代謝が低く腫瘍細胞とのコントラストは非常に強く、脳腫瘍精査の際に有用である。
最近の報告より |
・一般的に18F-FDG PETで悪性リンパ腫は、glioblastoma、転移性脳腫瘍より集積程度が高い傾向がある。
・一般的な11C-Methionine PETの撮像において、悪性リンパ腫、glioblastoma、転移性脳腫瘍にSUV max、TNRの差はない。
・11C-Methionine PET の儡UV max(RI投与後 20分、40分で撮像)によって悪性リンパ腫を転移性脳腫瘍、glioblastomaから鑑別出来るという報告がある。
・グレードの高いgliomaと悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍との区別は困難な例が多い。
参考文献
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