卵巣線維莢膜細胞腫(両側多発性)
Multiple fibrothecoma of the bilateral ovary |
画像所見のまとめ |
3個の骨盤内腫瘤(A〜C) ・全てT2短縮域を含む(A, Bは内部にT2延長域) ・増強効果は不良 ・Aは右卵巣静脈、Bは広間膜、Cは左卵巣静脈と連続 ・右付属器にA, Bと連続する索状構造 ▶ 捻転疑い ・子宮内膜の軽度肥厚:9.3mm(>4mm:閉経後としては肥厚あり) ・胸腹水 |
術中所見 |
・開腹にて両側卵巣腫瘍(白色・弾性硬)を認めた。 |
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右腫瘤A・Bは根部で相互巻絡1回、各腫瘍自体も捻転(腫瘤Aは540度、腫瘤Bは360度回転)しており、解除した。 |
【手術所見】 右腫瘤A・Bの捻転は緩く、卵管の変色は無かった 【病理所見】 |
【術前MRI】 右付属器に腫瘤A・Bと連続する索状構造。腹痛などの臨床症状はなかったが、捻転を疑った。 |
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→緩い捻転 – 解除が間欠的に起こっていた可能性 | ||
小型紡錐形細胞が疎に増殖、背景に線維化を認める | 右腫瘤では浮腫、出血が目立った |
診断:卵巣線維莢膜細胞腫(両側多発性) Multiple fibrothecoma of the bilateral ovary
・右は二個;捻転および相互巻絡あり
・左は一個
・Meigs syndrome合併
Fibroma/Fibrothecoma |
【臨床像】
・線維性組織や莢膜細胞類似細胞からなる性索間質性腫瘍。良性卵巣間質性腫瘍の中で最多。
・頻度:全卵巣腫瘍の4%。
・中年、閉経後に多い。
・片側性が多い。両側・多発は約10%。
・内分泌活性やMeigs症候群を伴う症例あり。Leung et al. Gynecol Obstet Invest 2006; 62: 1-6
Khashper et al. RadioGraphics 2012; 32: 1047-1062
Shinagare et al. AJR 2012; 198: 296-303
【画像所見】
T1WI:筋と同程度の低〜等信号(非特異的)
T2WI:大部分が筋と同程度の低信号
Gd-T1WI:弱い増強
肥厚した子宮内膜や内膜ポリープ(fibrothecomaでは内分泌活性を有する)
Chung et al. Abdom Imaging 2014
Khashper et al. RadioGraphics 2012; 32: 1047-1062
Shinagare et al. AJR 2012; 198: 296-303
【特徴的画像所見:文献報告】
腫瘍径6cmを越えると被膜、変性、辺縁の嚢胞性変化、T2WIで不均一な信号、不均一な増強効果の頻度が増加
・・・間質浮腫、莢膜細胞の変性による
Shinagare et al. AJR 2012; 198: 296-303
エストラジオール:女性での基準値 | |||||||||||||||
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子宮内膜の肥厚 |
Take Home Message |
Fibroma and Fibrothecoma
・両側・多発例は10%で発生。
参考文献
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