慢性再発性多発性骨髄炎 chronic recurrent multifocal osteomyelitis(CRMO) |
鑑別 |
・慢性再発性多発性骨髄炎
・感染
・腫瘍
Langerhans cell histiocytosis
血液疾患(白血病、悪性リンパ腫)
multilfocal Ewing sarcoma
慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO) |
・原因不明:遺伝性疾患(PSTPIP2遺伝子)の関与が報告されている。
SAPHO症候群の亜分類
SAPHOはCRMOの他、胸肋鎖骨肥厚症、掌蹠膿疱症性骨関節症を包括する概念
・無菌性・非腫瘍性の骨・骨髄炎症性疾患
・対称性、多発性に発生し、症状の寛解と増悪を繰り返す
好発年齢・部位
・小児期〜青年期にみられる
・最多:下腿の長管骨の骨幹端、骨端
・全体の4−30%に脊椎骨病変がみられる
脊柱変形を呈することがある
・胸骨、鎖骨、下顎の病変はCRMOを強く示唆する
画像所見
•通常の骨髄炎と類似
•多発性病変の検出にはFDG-PETや骨シンチが有用
診断
・除外診断 →骨生検が必要
鑑別疾患
・感染
・腫瘍(白血病・骨腫瘍・Langerhans cell histiocytosis)
・原発性骨疾患(Fibrodysplasia・Paget’s disease等)
予後
・良好
・炎症が長期 →関節拘縮、脊柱変形など
治療
・NSAIDの長期投与が1st choice
・ビスフォスフォネート
・重症例には抗TNF療法
考察
・本症例は症状の経過と画像所見からCRMOが鑑別に挙げられた。
・CRMOには抗菌薬は無効である。
→CRMOは除外診断であり、骨生検が必要となる。
小児の慢性・多発性骨髄炎の所見をみた場合、鑑別に挙げることは重要と考えられる。
Take Home Message |
・小児の寛解再発を繰り返し、軽微な炎症反応を来す骨髄炎ではCRMOを考慮する必要がある
参考文献