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第 364 回 東京レントゲンカンファレンス[2015年11月26日]
症例7 30歳代 女性 : 検診にて肝腫瘍を疑われ、精査目的で受診
腹腔内海綿状血管腫
cavernous hemangioma of the peritoneal cavity


 腸間膜血管腫

血管腫は増生した血管から成る良性腫瘍。
全身どの部位にでも発生するが、好発部位は顔面、頭部の皮膚、皮下、筋肉。
内臓器の発生は 0.3%。
Surg Gynecol Obstet 1940 ; 71 : 569-588腸間膜に発生するものは更にまれ

典型所見
■ 血管造影:動脈〜静脈相まで綿花状 pooling
■ CT:造影早期に辺縁に結節状の強い染まりが出現。
    これが求心性に急速に広がり, 平衡相まで持続する。
    血管腔を反映して、単純・造影で大血管と同等の濃度
■ MRI: T2WI 高信号, 拡散制限なし.
    内部不均一で蜂巣状像
    Dynamic では, 腫瘍辺縁より徐々に中心に向かう染影

1938 年〜 1 例報告が35 例(海外からの報告は5例)

本文入手可能:21 例

典型像
 Angio: 2/8 症例 25%
 CT: 3/18 症例 17%
 MRI: 3/6 症例 50%

 

 結論

画像診断は、血管造影、CT、MRI によって行われるが、典型像でないことが多い。
過去の報告から、比較的日本に多い疾患である可能性がある。




参考文献

  • Watson WL et al. Surg Gynecol Obstet 1940; 71: 569-588
  • 菅偉哉ら.日消誌 2005; 102: 31-36
  • 飯島信ら.日臨外会誌 2012; 73: 481-485