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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第364回症例症例:呈示
第 364 回 東京レントゲンカンファレンス[2015年11月26日]
症例4 50歳代 女性
血管平滑筋肉腫
vascular leiomyosarcoma

 

 所見まとめ

・右腎門部(後腹膜腔)を中心とした巨大腫瘤
 著明な静脈内進展 (右腎静脈〜肝部下大静脈、腸骨静脈合流部、右卵巣静脈内)
 一部は腹腔内に突出
・Periportal edema: IVC腫瘍栓に伴う肝うっ血
・腹水: 静脈圧上昇による漏出性腹水疑い

 

CTガイド下生検
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病理所見

・類円形核を有する腫瘍細胞の胞巣状の増生
・一部でやや淡明な胞体
・紡錘形細胞の混在
・Desmin、αSMAがびまん性に陽性

  ⇒Leiomyosarcoma (血管原発として矛盾せず)

 

 血管平滑筋肉種

血管壁原発腫瘍
・血管壁原発腫瘍そのものが稀
・組織型 平滑筋肉腫が最多
  下大静脈原発 平滑筋肉腫 1871年Perlらが初めて報告

血管平滑筋肉腫
・全平滑筋肉腫の約2%
・発生 約75%は静脈壁発生
    約50%は下大静脈原発
    
次いで肺静脈、大腿静脈
・大伏在静脈、頸静脈
・男女比 1:4.5と女性に多い
・年齢 15〜83歳、平均年齢は54.4歳。

・病理
  血管内進展+血管外発育
・症状
 労作時息切れ 肝機能低下、黄疸 下腿浮腫
・超音波所見
 IVC、肝静脈血流の低下、消失、乱流
 腫瘍内血流
・CT
 腫瘍濃染
 側副血行路の発達(奇静脈、半奇静脈)

・右房内への腫瘍進展時の鑑別疾患 RCC、HCC

 



参考文献

  • Case records of the Massachusetts General Hospital (Case 3, 1981). New Engl J Med 304: 162-168, 1981
  • Andrea M, Richard J, Antonino C, et al: Leiomyosarcoma of the inferior vena cava: Analysis and search of worldliterature on 141 patients and report of three new cases. J Vasc Surg 14: 688-699, 1991
  • 時田 大輔,浅原 利正, 杉野 圭三, 他:下大静脈原発血管平滑筋肉腫の1例. 日本臨床外科医学会雑誌 58巻4号:771-776, 1997

 

 

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Moderator: 粕谷 秀輔