胞巣状軟部肉腫 alveolar soft part sarcoma |
Alveolar Soft Part Sarcoma (ASPS) |
・ASPSは1952年にChristophersonらによって初めて「胞巣状軟部肉腫」と命名された
・発生起源が不明な軟部肉腫の一種
疫学
・APSPは小児〜若年者に発生する腫瘍で、全ての軟部肉腫のうち0.5-1%を占める
・緩徐に増大する無痛性の腫瘤
・好発部位(成人:下肢、臀部 小児:頭頸部)
疫学(転移、再発)
・初診時に3割に転移を伴い、肺、脳に多い
・完全切除後の局所再発率は少ない
・初診時に転移のない場合の5年生存率は60〜87%
予後良好因子
・転移なし
・腫瘍サイズ(<5cm)
・骨浸潤なし
マクロ所見
・境界不明瞭な腫瘤
・内部に広範囲の壊死、出血
・腫瘍を栄養する拡張した蛇行血管
CT所見
・筋よりもやや等〜低吸収な腫瘤
・しばしば境界明瞭
・著明な造影効果
・拡張し、蛇行した栄養血管
・75%に内部壊死
MRI所見
・T1WI 筋よりも高信号
–部分的なT1WI著明高信号
・T2WI 筋よりも高信号
–通常は不均一
–辺縁に拡張した蛇行血管
・造影T1WI
–著明な造影効果、蛇行血管
治療
・転移のない場合
–完全摘出
・転移のある場合
–有効な標準治療は現在なし
–通常の化学療法はほぼ無効
Take home messages |
・若年者の下肢、頭頸部の無痛性腫瘤
・T1WI高信号、極めて多血性、拡張・蛇行血管
・初診時に転移を疑う
参考文献