肝臓原発神経鞘腫 schwannoma occurred in the liver |
鑑別 |
・胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)
・肝粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)
・出血性嚢胞
・炎症性嚢胞:膿瘍、エキノコックスなど
・転移
神経鞘腫 |
・被膜を有する境界明瞭な腫瘍で、紡錘形細胞(シュワン細胞)で構成される。
・特徴的な2 相性パターン、すなわちAntoni A type とAntoni B type より成る。
・腫瘍の増大に伴い、嚢胞変性や出血などの二次性変性が現れる傾向にある。
・稀に悪性化する。
[Antoni A type]
細胞成分に富む領域で、波状の核を有する紡錘形細胞で構成されている。核の柵状配列が目立ち、Verocay body を形成する。Verocay body とは、二つの平行な核の柵状配列が、中心の核のない領域を囲む構造を言う。
[Antoni B type]
細胞成分はまばらで、豊富な粘液変性した間質を有する領域を言う。小血管の血管壁が硝子化した像が特徴的で、局所的な変性所見として小嚢胞性変化もよく見られる。
・免疫染色ではびまん性に強くS-100 蛋白が陽性となる。
・肝原発神経鞘腫の画像所見に関しては特異的な所見は現状ではない。
【CT 所見】
・境界明瞭な低吸収域
・造影CT で内部は不均一、辺縁の造影効果は遷延。(内部の線維性成分や線維性被膜を反映した所見)
World J Gastroenterol.2012 Sep 21; 18(35):4967-4972
【MRI 所見】
・T1強調像で低信号、T2 強調像では不均一な高信号または低信号と高信号が混在する不均一な信号。
(偽嚢胞性変性や出血などの二次性変性を反映した所見。)
・拡散強調像で高信号
World J Gastroenterol.2012 Sep 21; 18(35):4967-4972
参考文献