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第 368 回 東京レントゲンカンファレンス[2016年5月19日]
症例5 70歳代 男性 : 食道癌治療後の経過観察中
放射線肝炎
radiation hepatitis


 放射線肝炎の画像

・照射後2-6週程度で現れる
・30-35Gy以上の線量が照射されている部分に認められる
・CTでは低吸収、MRIではT2WIで高信号、EOB-MRI肝細胞相で低信号を示す
・多くは照射野を反映して直線状の形態を示すが、照射方法や線量分布によっては必ずしも典型的な画像変化を示すとは限らない


 

 鑑別診断

・転移性肝腫瘍
・門脈や肝静脈血流障害およびそれに伴う二次変化
・肝梗塞

 

 まとめ

・放射線治療後変化を呈する肝臓の画像を提示した
・実際の照射野や線量分布を確認することが診断に役立つ
・読影に必要な情報が依頼書に書かれていないことがありうるため、注意する



参考文献

  • Itai Y, RadioGraphics 1995; 15: 1089-1102
  • Unger EC, J Comput Assist Tomogr 1987 Mar-Apr; 11(2): 264-8·
  • Lawrence TS, Int J Radiat Oncol Biol Phys 1995; 31:1237-48