casetop
東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第368回症例症例:呈示
第 368 回 東京レントゲンカンファレンス[2016年5月19日]
症例8 50歳代 男性
肝サルコイドーシス
hepatic sarcoidosis

 

 画像所見のまとめ

・造影CT:早期動脈相、後期動脈相、門脈相、静脈相にて低吸収腫瘤。
・EOB・MRI:肝細胞相にて低信号となっている。
・その他の画像では、肝腫瘤ははっきりしない。T2低信号腫瘤?
・脾臓にも結節?

 

 多発肝腫瘤(+脾腫瘤)の鑑別

・悪性リンパ腫
・結核
・肝膿瘍
・サルコイドーシス
・転移性腫瘍

 

img

類上皮細胞が、多核巨細胞を伴って境界不明瞭な肉芽腫を形成
img

 

 肝サルコイドーシス

・肝生検によるサルコイドーシス病変・・・80%
・剖検例・・・約40%(肺74%、リンパ節72.1%、心63.5%につぐ頻度)
・臨床症状は乏しい。(軽度肝障害)
・ACE・・・高値  ちなみに本症例は25.1(正常上限25.0)

・多発乏血性腫瘍
・超音波:低エコー結節
・造影CT:比較的境界明瞭の低吸収結節。早期では染まらず、後期相で遅延造影される。
・MRI: T1低信号、T2低信号、ダイナミックMRI動脈相にて低信号
  (各シーケンスで低信号を示し、背景肝より弱い漸増型の増強効果を示す。)

 

 Take home message

肝臓の多発性腫瘤を見たら、脾臓も見よう!
全身検索も忘れずに!




参考文献

  • Warshauer DM, Lee JKT. Imaging manifestations of abdomninal sarcoidosis.AJR2004;182:15-28
  • 宗近次朗、後閑武彦. 肝脾の粟粒病変の鑑別 画像診断Vol.36 No4増刊号s76-s79 2016
  • Ana F, Miguel R, et al. Hepatic sarcoidosis: MR appearances in patients with chronic liver disease.   Magnetic Resonance Imaging  31.3 (2013): 432-438.
  • Tadros M, Forouhar F, and George Y. Wu. Hepatic sarcoidosis. Journal of Clinical and Translational Hepatology 1.2 (2013): 87.

 

◀ 症例提示へ戻る 画像をまとめて見る…PDF
Moderator: 清野 哲孝、ベル 望美、長谷川 真