副腎慢性拡張性血腫 adrenal chronic expanding hematoma |
Chronic expanding hematoma |
●1980年にReidら「1か月以上かけて徐々に増大する血腫」と定義。
●発生機序:何らかの原因で貯留した血液やその分解産物が刺激となり、肉芽組織の血管の浸出液漏出や再出血が繰り返され血腫が増大するという説が支持されている。
●胸腔内、軟部組織など多くの領域で発生する。
●自覚症状は乏しい。手術後や外傷後に発生することが多い。
●病理学的特徴:腫瘤周辺は硝子化した線維組織に囲まれ、内部には新旧の血腫や疎な結合組織、肉芽、壊死物質、石灰化が混在する。
*Reid JD, et al. JAMA 1980;244:2441-2442
【画像所見】
・境界明瞭な腫瘤
・Dynamic CTで不均一に増強され、漸増性に広がる。➡血腫内に不均一に分布する肉芽組織を反映。
・石灰化を伴うこともある。
・MRI T2WIで「mosaic sign」と呼ばれる
高信号と低信号が入り混じる不均一な信号を示す。➡新旧の血腫を反映。
*Yamada T, et al. J Comput Assist Tomogr 2003;27:354-356
*Akata S, et al. Clin Imaging 2000;24:44-46
【鑑別診断】
・血管腫(辺縁から中心に向かう不整な染まり、T2WI辺縁高信号)
・悪性腫瘍/腫瘍内出血(増強される部分が多い?)
参考文献