血管内リンパ腫 intravascular lymphoma of the lung |
血管内リンパ腫症 ( Intravascular lymphomatosis : IVL ) |
【 疾患概念 】
・1959 年に Pfleger らにより初めて報告された
・びまん性 B 細胞性腫瘍の一型
・小血管内腔に腫瘍細胞が増殖する節外性リンパ腫
・非ホジキンリンパ腫の 0.1 %
・60 歳以上に好発、わずかに男性に多い ( 1.1:1 )
・発熱、全身倦怠感、中枢神経症状、呼吸困難、皮膚症状など多彩
・赤沈亢進、CRP陽性、LDH上昇、sIL-2Rの上昇、血球貪食 ( Hb↓, Plt↓ )
・確定診断はランダム皮膚生検、 TBLB
・予後不良、最近はリツキシマブ併用化学療法により治療成績は向上
・Pfleger L, Tappeiner J. Hautarzt 1959; 10: 359-363.
・小倉高志:血管内リンパ腫症.知っておくと役立つまれな呼吸器関連疾患ケースファイル 50 ,克誠堂出版,2013,p179-83.
・第 329 回東京レントゲンカンファレンス 症例1冨永循哉先生出題
【 画像所見 】
〈 単純 X 線写真 〉
・不整形多発結節影、網状線状影 異常を認めないことも
〈 胸部 CT 〉
・両側びまん性のすりガラス状陰影、淡い小葉中心性粒状影、小葉間隔壁の肥厚、肺静脈の狭小化、Mosaic perfusion など
〈 その他 〉
・Ga シンチや PET-CT で集積亢進
・肺血流シンチで血流低下 / 欠損
Take Home Messages |
◆ 両側上中肺野優位のすりガラス状陰影を呈し、軽度の脾腫を来した肺血管内リンパ腫を経験した。
◆ IVL は症状・画像が非特異的であるが、採血データとも対比し、鑑別に入れる必要がある。
参考文献