肺葉外肺分画症 extralobar pulmonary sequestration |
画像所見のまとめ |
・上縦隔に石灰化を含む多房性嚢胞性腫瘤。
・各々の嚢胞内の性状が異なる。
・腕頭動脈より腫瘤へ連続する異常動脈あり。
・腫瘤から連続し、右肺動脈へ流入する異常血管あり。
肺分画症 |
・肺分画症は正常肺と気管支の交通がなく、隔絶された肺組織構造 (分画肺)が存在し、体循環より血液の供給を受ける病態。
・肺葉内:分画肺が正常肺と胸膜を共有。
肺葉外:固有の胸膜を有する。
・肺葉外は全体の25%。
【画像所見】
・多房性嚢胞性腫瘤または充実性腫瘤。
・気管支との交通なし。
・大動脈やその分枝より分岐し、腫瘤に流入する異常動脈。
・流出静脈:肺葉内→肺静脈
肺葉外→奇静脈などの体循環系
・肺葉外肺分画症は、縦隔腫瘍と術前診断される事が多い。
術前正診率 Savicら: 肺葉内 39.0%、肺葉外 9.1%
・腫瘤に連続する異常血管の同定が重要であり、近年はMDCTにより同定し易くなっている。
肺葉外肺分画症 |
・部位は下葉付近に約80%と多く、上葉付近は約10%と少ない。
・左側:右側=69:31(%)
・肺葉内に比べて異常血管が細いとの報告あり。
・心血管奇形、横隔膜ヘルニアなどの合併が多く、早期に発見されることが多い。
Take home message |
・縦隔腫瘤の鑑別診断として、肺葉外肺分画症も考慮する必要がある。
・肺葉外肺分画症の診断には、腫瘤に流入する異常動脈、肺静脈以外に還流する異常静脈の同定が有用である。
参考文献