進行性多巣性白質脳症 progressive multifocal leukoencephalopathy |
前医MRI(X年5月) ▼ FLAIR/DWI/T2*WI |
PRES ? |
▼ 前医MRI(X年5月) |
PRES + SAH ? |
当院MRI (X年7月)ルーチン撮像 + SWI(SWAN) ▼ FLAIR/DWI/SWI(SWAN) |
当院CT(X年7月) |
画像所見まとめ |
脳MRI:
1)比較的急速に拡大する白質病変
2)明らかなmass effectなし
3)後頭葉 U-fiberにSWI低信号病変
体幹部CT:
1)両肺上葉に淡いすりガラス影+薄壁嚢胞
その他検査結果
・HIV抗原:陽性
・髄液中JCV-DNA:2,010 copies/mL
・血清β-Dグルカン:28.1 pg/μL ↑
最終診断
Progressive Multifocal Leukoencephalopathy
進行性多巣性白質脳症
(およびPneumocystis pneumonia)
PML |
・ JCVによる脱髄性脳炎
・ 成人の70%が無症候性感染
・ 細胞性免疫低下により脳に血行性感染
・ oligodendrocyteを崩壊 → 脱髄
柳下章, 神経内科疾患の画像診断・HIV感染症は最も多い基礎疾患
・時にAIDSの初発症状となる
・HIV-PMLは1年生存率約40%と予後不良
画像所見
・非対称性の白質病変
・T1およびT2延長域
・辺縁優位にDWI高信号
・皮質下白質に始まり深部白質へと進展
・梗塞との鑑別が重要
・SWIにおける低信号
・U-fiberに沿ったSWI低信号
・PMLに特徴的?
柳下章, 神経内科疾患の画像診断
J Neurol Sci 344 (2014) 198–202
本症例では
結語 |
・特徴的な所見を呈するPMLの一例を経験した。
・U-fiberに沿ったSWI低信号はPMLの初期診断に有用な可能性がある。
・他sequenceや臨床所見と併せて評価を。
参考文献
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