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第 373 回 東京レントゲンカンファレンス[2017年1月26日]
症例1 50歳代 女性 : 右頸部腫脹
甲状軟骨肉腫
chondrosarcoma of the thyroid cartilage


 鑑別疾患

・7年前から存在、緩除に増大→良性または悪性度の低い腫瘍を考える
・急速増大し、その後改善した病変内部にT1WI高信号域あり→出血して増大した?

・由来がどこか? 甲状腺 or 甲状軟骨

甲状腺 → 甲状腺腫瘍(癌)
甲状軟骨 → 原発性腫瘍 or 転移性腫瘍
甲状軟骨原発の腫瘍でmajorなのは甲状軟骨肉腫

・甲状腺腫瘍(癌)
 ○ 最も頻度が高い
 ○ 経過が長いことが一致する
 ○ 甲状軟骨の外側のみに存在する
 × 甲状軟骨の硬化性変化が一致しない
 × T2WIでの高信号が目立つ

・原発性甲状軟骨腫瘍
 ○ 硬化性変化が説明可能
 ○ T2WI高信号域 → 軟骨成分であれば矛盾しない
 △ 頻度が低い
 △ 経過がやや長い
 × 外側のみの進展、内側への進展が乏しい

・転移性甲状軟骨腫瘍(転移)
 ○ 画像所見は何でもありと思われる
 × 非常にまれ
  4例の報告(肺癌:2例、前立腺癌:2例)
  明瞭な原発巣と他の転移巣が存在
 × 7年の経過は長すぎる

その後の経過
・原発性甲状軟骨腫瘍(甲状軟骨肉腫)疑い→針生検生検実施
 軟骨性分を多く含む腫瘍、甲状軟骨肉腫疑い
・X年12月、手術が行われた

診断:甲状軟骨肉腫(Chondrosarcoma of the thyroid cartilage)

 

 甲状軟骨肉腫

・軟骨肉腫:悪性骨腫瘍の10-20%
・頭頸部領域の軟骨肉腫:軟骨肉腫の1-12%
・甲状軟骨肉腫:喉頭軟骨肉腫の9-20%
       :喉頭悪性腫瘍の0.07-2% →まれな疾患

主訴:頸部腫脹や嗄声
・40-77歳、男性優位(88.6%)
・病理学的には低悪性度が多い

画像所見:まとまった報告はない
・喉頭の軟骨肉腫(甲状軟骨 + 輪状軟骨)
粗い or点状の石灰化が特徴
喉頭内側と外側の両方に広がる
→今回の症例は石灰化あり、外側のみの広がり

治療:原則として切除(手術)
完全切除できた場合の予後は良好
放射線治療や化学療法の治療効果は乏しい
転移を来した場合は予後が悪い(肺:3例、扁桃:1例)
→進展範囲ならびに転移の存在診断が重要

 

 Take Home Message

・甲状軟骨肉腫はまれな疾患
・甲状腺腫瘍 (癌) の鑑別疾患となる
・丁寧な読影が重要:特に病変の主座

 

 


参考文献

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  • Chin OY et al. Laryngoscope. Epub ahead of print)
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